*見える
空が青い、すさまじく。
夏物の服を見つめながら、信じられない気持がしてくる。
ほんとうに夏がくるのだ。もうすこしで、すこしのあいだ。
わたしはまだ冬の服を着ている。
夏がきたら、そのときは、夏の服を着るのだろうか。
*
雨が降りはじめた。
日和のものではなさそうだ。
電線を、あめのしずくがひた走る。
あとからあとから、つぎのしずくがつづく。
グラウンドにはカラスが降り立つ。
溜まりを見つけては、歓びに、のたうちまわるように、
すずめも、すこし離れた場所で、なにかをついばんでいる。
わたしにはわからないが、雨のグラウンドには、
わたしは雨音を気にいる。
透明な無数の指がけんばんを弾くように、水面へ、
わたしは聞こえない音も気にいった。
いつまでも、そこにいたいとおもった。
*
アメリカのいちばんあかるいところは、
*
蛙は蛙を呼んでいるように見える。
*
わたしたちは、こなごなのうち、ごなのほうに含まれる希望を、
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