*****大好きだよと言い合うみたいに/これから枯れるのだ、あれは
てっぺんに楕円の雲がひとつあるだけの空に、
二本の線はほとんど垂直に見えるように、
まぶしかった。
夏だから。
時間のさきっぽには、一機の旅客機があって、
影の頭が、それは遠いせいだろう、丸みをおびて見える。 両翼はおもちゃのようにちいさく、
風のなかで、ハンドルから手を離して、わたしは、
十字架が飛んでいるみたいだ。
そう見えて、わたしは驚いたのだ。
もういちど見られる日があったならば、そのときは、
*
今日はココアをのんだ。
のみたいなと思いつづけていたのだが、
はちみつをたらしてもらった。
おいしかったのかな。
もうわすれてしまった。
*
おはようとわたしたちは言い合う。
大好きだよと言い合うみたいに。
あたりまえのことなどないと知ってから、世界は壮麗で、
だから、ぜんぶがうれしい。
わたしがいま働けていること、ご飯が食べられること、
*
ひまわりが咲いていた。
こんなにちかくに。いや、めのまえに。
首はもう折れてしまっていた。
これから枯れるのだ、あれは。
*
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