***こんこん(多様な具象)
肉体は他人だ。わたしのきぶんが制御できるものではない。
わたしのげんじつとは、わたしの肉体や他人、外界といった、
げんじつを保つためには、各存在が不可欠だ。
無に、一は似ている。人間の感覚はよくそれらを混同し、
考える身体は眠らないが、すぎると、
わたしの脳が自衛をはじめた。日がな一日、とても眠い。
こんこん眠って、おきて、本を読む。
自由時間に誠実でいたい。
*
めいそう!
にがてだけれど、なんとなくすきだ。
といっても、めいそうはできない。あれはとても難しい。
わたしは光を引いた、まぶたを下ろす。六十秒を五回数える。
呼吸はすきにしていい。
そうすると、大体は浅く、少なくなる。
ときどき深く吸って、吐いて、またすきに任せる。
これがわたしのめいそう、真昼におこなう。
数日前、夜、ひたいに手のひらをあてて、
今日は、すうじを数えられなかった。
しずかな混乱のなか、わたしは雨の音だけを聞く。
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