***こんこん(多様な具象)

肉体は他人だ。わたしのきぶんが制御できるものではない。制御してはならない。

わたしのげんじつとは、わたしの肉体や他人、外界といった、わたし(としたいもの)とわたし以外が存在することで成り立つ。それらが相対的に時間をまとめる。
げんじつを保つためには、各存在が不可欠だ。
無に、一は似ている。人間の感覚はよくそれらを混同し、一を認識できない。ふたつなければ、ひとつは無いも同然になる。

考える身体は眠らないが、すぎると、こんどは目覚められなくなる。

わたしの脳が自衛をはじめた。日がな一日、とても眠い。
こんこん眠って、おきて、本を読む。
自由時間に誠実でいたい。

めいそう!
にがてだけれど、なんとなくすきだ。
といっても、めいそうはできない。あれはとても難しい。
わたしは光を引いた、まぶたを下ろす。六十秒を五回数える。
呼吸はすきにしていい。
そうすると、大体は浅く、少なくなる。
ときどき深く吸って、吐いて、またすきに任せる。
これがわたしのめいそう、真昼におこなう。

数日前、夜、ひたいに手のひらをあてて、照明が天井に拡げる光の波紋をゆらした。泣きたいとおもった。わたしはわたしを求めていた。

今日は、すうじを数えられなかった。
しずかな混乱のなか、わたしは雨の音だけを聞く。

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