**言語(まほう)

まほうって、あのひとは言ったのだったか

わたしの目にも、いま、まほうがかかっていて
世界がとても優しく
美しく
尊く
泣きたいほど愛しくおもえる

わたしは、「みんなとおなじ」、ということばにこだわってきたけれど、ようやく、わかった、っておもう
わたしは足りなくなんかなかった
手があって
足があって
よくあることばだと思っても聞いて
声があって
どこもいま痛くなくて
真実だとわたしが思えたことが大切だから
わたしのぶんのロッカーがあって
わたしが歩く場所がある
あたまのなかには場所がなかったんだ
空間がなくて
ことばもなくて
だからわたしは安らげたのだけれど
この
雑多な世界もすてきです

わたしはじゅうぶんに生きている

価値があり
意義がある

なによりも

まほうにまもられている

わたしがなくなる、とふるえたのだった
なくなったのかどうかはもうわからない
ただ
いまのわたしがここにいる

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