*グルテンフリー

いちど照明をつけてしまうと、消しても、暗がりは目に見えない。

帰宅した、夕暮れ時の部屋がすきだ。
わずかに開いたカーテンからは淡白な光彩がもれ、部屋自体は、眠るようにおとなしい。
わたしとの接点はひとつもない。部屋は独自の存在をしていている。
わたしはひととき、部屋に出会う。
わたしではないものは、まちがいではなくおもえる。
それはあんしんをともなう。
いや、あんしんが、わたしをともなうのかもしれない。

すこし遅いけれど、父の日に、クッキーを買った。

両親とわたしに二枚ずつ、すえの弟には一枚、選んだ。
母のこさえてくれる夕飯のあと、コーヒーといっしょに食べるつもりだ。

ふだんはクッキーなど買わないし、どころか、クッキーを食べる習慣すらない。
選んだうち、ぐるぐる渦巻く黄緑色のクッキーがある、あれはなんの味がするのだろうか。
メロンかしら。

すこしふあんで、すこしたのしみ。
おいしいといいのだけれど。

6/22

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