1月 - 5月 17, 2020 くらやみがやってきたこんにちはと言って、むかえてやろうおまえはわたしだ * 僕はまだここにいるジェニファー・ニーヴン『僕の心がずっと求めていた最高に素晴らしいこと』石崎 比呂美 辰巳出版 2016.12 みんな声をもっていることばをはなしているそれは目に見えるし、形もあるしときにはだれかのこころにとどく小さな声だとしてもあなたは声をもっている ここには、はなせるひとしかいない ひとつのことばももたないひとはいない それが、ここだ ここ//ここ コメント
***ベンチ - 6月 24, 2020 視線 ひとがどんなにたくさんいても、わたしを見ていない ひとがどんなにたくさんいても、わたしだけを見ている たとえようのない視線が見たものは、 わたしのなにだったのだろう。 傷つくことは裏切りに思える。 しかしそのまえに、わたしはいちばんたいせつな、 ゆいいつの存在を裏切ったのではないか、とも思う。 * まだ子どもだったころ、公園のベンチに腰掛けたことがある。 わたしは空が見たかった。 空気を吸いたかった。 いまのわたしは、あのときのわたしなのかもしれない。 きんじられた幼いわたしが、いま、空を見て、 空気をめいいっぱい吸っている。 顔をあげられない愛しいひとに、わたしは手をふる となりのベンチに座るひとのために、わたしは泣けない ひとがいのちであることを思いだそう。 あす、わたしに刺さる視線を、きちんと、いのちなんだ、 と受け入れよう。 あれは感情ではない、無感情でもない、いのちなのだ。 * ゆうきがほしいのだろう そのきぶんは、あんがい温順しく、長毛の仔猫みたいに、 ふわりふわりと先端をひからせる * しすがにしなさい 続きを読む
**世界中が工事中 - 6月 24, 2020 わたしのために生きている、なんて贅沢なことだろう。 比べることはきぶんに沿わないけれど、よのなかには、 他人のために生きているひともいるのだ。 ひとではなく、物であったり、概念・信念、夢だとか、 罪のために生きているひとたちもいる。 おなじ理由で死んでいくひとたちがいる。 いっぽう、わたしは、わたしのためだけに生きている。 あぜんとしてしまうな。 贅沢がとびらをたたいて、わたしはむやみに受け入れた。 それ以来、ずっといっしょにいる。 おなじ理由はさいごまでつづきそうである。 *︎ あっつうい! これもあたらしい発見、わたしには夏がやさしいらしい。 通勤には風がありますので、 わたしは冬衣をいまだに着こんで部屋を出ます。 あついです。 仕事がはじまるまでにぐあいをわるくしてしまいそうなくらい。 できるだけ早く(というか現実における最速にて)、 風のなかにとびだします。 風はきもちいい。みどり色のサイドからは、 産まれたばかりの影の子どもたちが、追いつ追われつ、 あふれだす。 だれもいないとなおいい。 だいたいいないから、やっぱりとてもいい。 しかあし! あっつういですわ。 空に太陽があるのだもの。 とうぜんですか。 無がむかう日もあれば、歌なんて口ずさむ日もある。 今日は、「無です」、なんて身体は言っていたけれど、 こころはちらちらと目を覚まして、光を見ていた。 風を、影を、信号機のかさのゆがみを、 わたしがとおらない道の立看板を見ていた。 世界中が工事中。 だけどわたしのゆく道は、がたがたではあるけれど、 だれも整備についていない。 つかのまの自由が叫んで、道路のまうえをゆらりゆらりと、 揺らすのでした。 *︎ 報酬という考えかたは、あまりよくない気がしている。 条件は設定もできれば、廃棄もできてしまう。 あきらめるからやらない、なんてかんがえたりしないように、 わたしは行為と行為を独立させておくことにした。 明日であるから、ではなく、行為があるのが、明日であるだけだ。 こんなふうに。 ちいさな声で打ち明けます。 ほんとはそんなに割りきれやしなくて、 しらないふりをしているだけです。ほんとうは、明日でなければ、 わたしはセブンイレブンの栗饅頭を食べられない。 白いあんこのやつです。楽しみにしている。 だけど、明日は素知らぬ顔して、ふんふん、わけな... 続きを読む
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