3月


 

 

そういう私達についての物語は、生そのもののように、果てしがないように思われた。

堀 辰雄『風立ちぬ・美しい村』新潮文庫 1951.1

 

わたしはわたしを知りたい。
だから、だれかが書いた百冊ではなく、あなたが書いた一冊が読みたい。
鏡の城はうつくしいだろう。飽きないだろう。
そこに世界はあるだろう。わたしの外があるだろう。

世界はあなたが手に入れて。

わたしはひとつでいい。
あなたが掲げるひとつの鏡をのぞきこみ、たったひとりで映るわたしを見つけたい。

わたしは眼がよわいから、そこまででもう、十分だ。

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