これからはあたりまえみたいに生きていく

はじめに障子のさんをはたく
そうしたほうがいいと教えてもらってからそうしている

黄色い鳥の値段を調べる

給料日の三日前、もう三日前に買っておいたお肉を
ちゃんとゆっくり時間をかけて解凍して
四角いお弁当箱に入れる

ふせんはまだ使い切れずにいる

マーガレットの双子の秘密をあなたがひらく昼下がり
わたしは黄色い鳥のための籠を探す

置くとしたら日影がいいのだろうか
それとも窓辺か
巻き戻るメジャーの”びゅるん”凄まじい音と速さに驚いて
あなたが帰ってきたら見せたいと思う

わたしがいた場所は線路のすぐそばで
セイタカアワダチソウは優しくしてくれたけれど
列車が撥ねる小石は身体中に小さな傷を作った
友だちはみんな列車に乗って行った
街があるのだ


あの時も音は凄まじくて
わたしはてっきりあなたは死んでしまったのだと
幾時間か歩いたところにある間欠泉に
骸を運んでいかなくてはならないと思ったの
あなたが”小さな声”泣き出すのがあともうすこし遅ければ
そうしていたことでしょう

わたしたちは歩いて歩いて歩いて
この街へやってきた
まるでみんなと同じ列車に乗ってきたのだという顔をすることには
わたしもあなたもすぐに飽きましたね

これからはあたりまえみたいに生きていく

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