10月

生きていかれません
わかっています
ことばがよめません
わかっています
まぶしくて、くるしくて、さびしくて、
わかって、わかって、わかって、

ねえ、いるの
はい、います

本を読んでください

ぼくはだれ

問いかける勇気はあるか

あなたはだれ

しる準備はできているか


 

ほとんど想像しがたいことに思えたが、何もかもが徐々に変化を重ね、いまや世界だけで十分になっていたのである。

ポール・オースター『ムーン・パレス』柴田 元幸 新潮文庫 1997.9

 

カフカ作品と『タタール人の砂漠』にある構造(わたしという内部/世界という外部)が、ここにもある。

マーコ・フォッグ(内部)/やみねずみ(外部)

そして、交錯。

世界(外部)/ねこ(内部)

 

(また、どちらにしても、女の子がキーになっていることも、わすれてはならないだろう)

 

似てひなるふたつの物語には、ひとつだけ共通する力がある。 それは、だれもがかれらに語る、という力(アクション)だ。

わたしはここに、こうして生きている/生きてきた

なんの責務も、権利もなく、かれらは問いかける。

おまえはどこで、どのように生きてきた/生きていく

 

応えよ。

 

ちいさいおおきいは、距離のもんだい。

いしい しんじ『麦ふみクーツェ』新潮文庫 2005.7

 

あなたの声はかならずとどく。

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