5月

光を、受け入れるのかもしれない。

 R.D.レイン『引き裂かれた自己:狂気の現象学』天野 衛 ちくま学芸文庫 2017.1

 

祈りのことばは街角を街にする。

 

海は新しい形のものに思いがけず出会うと、我を忘れて急いでそれを知りたがり、把握しようと努力するのだが、謎めいた法則によって定められた一定の境界を超える恐れが出てくると途中で引きあげる羽目になるのだった。

スタニスワフ・レム『ソラリス』沼野 充義 ハヤカワ文庫SF 2015.4

 

記述できないものは、けっして、理解できない。
理解ということばに準ずる状態に至るには、ことばが不可欠なのである。

みんな知りたい。
わたしたちは知るために生まれてきたのだ。
知れば、理解しうる。呑みこみ、呑みこまれる。
一体になれる。

 

なにもない場所(たとえばくらやみや永遠のなか)でも、「知りたい」と思えるのだろうか。
まず、あって、あるそれを知りたいと思うのではないか。

いまいちど、ひとであることに、生きることに、区切りをつけて、「ある」とだけ思ってはならないだろうか。

 

知るまえに、触れるまえに、見るまえに、くらやみのなかで、「ある」、それだけをよろこびたい。

あなたを知らずに、あなたがあることを、祝福したい。

 

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