無日2

ことばの世界へつづくプロダクトキーもまた、ことばでできている

ことばの取り扱いに長けているひとびとがいて、かれらは、声の使い方も、こころえている。

分類のなかで、ことばはささやかれる。
ときどき、ことばは声になり、声は波になり(大波……小波……)
分類のそとまで跡をのこす。


社会という枠組があるとして、枠内大小の分類は、相互を認知している。
依存し、支え、傷つけ合いながら、社会の細胞として生きている。

細胞群のあいだ、《どろどろとした無言》の領域に、わたしたちはいる。
(そこには内側がない、よって外側もない。社会は、べろり、枠組を反転させても、また社会があるだけだ)

名前のないわたしたちは、共通言語をもっていない。

「どこにいますか」「だれですか」「わたしですか、あなたですか」

問えず、

「わたしです、そしてあなたです」「ここにいます」「いや……わかりません」

答えられない。

わたしには名前がない。分類のなかにいない。

答がほしいわけじゃない。
ただせめて、目をあわせたい。

どこかにいるであろうわたしと、ほんのひととき、いちどきり、
互いを見つけ合えたら……『ここにいる』そう、気づき合えたら、気が楽になるとおもうのだ。

ひとはそれぞれ生きている。わたしもここで生きている。

あなたはどこで生きていますか。

コメント

このブログの人気の投稿

4月

*見える

5170